「頭蓋顔面先天異常」。その原因とは・・・
遺伝する可能性も?症状が発生する確率やリスクを考える
以前にもテーマとして挙げられたこの「頭蓋顔面先天異常」。妊娠中に判明することもあり、家族にとってはとても不安な疾患のひとつです。
これを防げることは可能なのでしょうか。
赤ちゃんの一部には、「頭蓋顔面先天異常」の状態で生まれてくる子がいます。「頭蓋顔面」という言葉は、頭蓋骨と顔を意味するラテン語に由来します。頭蓋顔面先天異常は、例えば頭蓋骨の成長部位のひとつだけに影響を及ぼすこともあれば、症状複合体、いわゆる症候群の一部であることもあります。
口唇口蓋裂(Cleft Lip and Palate:CLP)は妊娠2~3ヶ月目に発症します。発育の過程で顔のさまざまな部分が成長していき、鼻、上唇、上あご、口蓋が形成されますが、一部の子では、この成長が通常の方法で起こらず、裂け目ができます。
詳しくはこちらもご参照ください:「頭蓋顔面先天異常」による咬合のリハビリテーションの一環として行う「歯列矯正」
原因
この疾患は両親のどちらかから遺伝することもありますが、通常は胎児の自然突然変異(natural mutation)の結果として起こります。胎児はそのものにかかっているだけでなく、この疾患の保因者でもあります。つまり、保因者から生まれてくる子供が同じ診断を受け継ぐリスクが高くなるということです。両親とも発症していない場合、兄弟姉妹が同じ診断を受けるリスクは高くなりません。
通常、CLPの原因は不明ですが、遺伝的要因が関与している可能性があります。両親に口唇裂がある場合、子供が同様の口唇裂を発症するリスクは約2~4%です。
頭蓋顔面異常の診断にはさまざまなものがあります。社会庁のデータベースを参照してください。
https://www.socialstyrelsen.se/stod-i-arbetet/sallsynta-halsotillstand/
詳細についてのその他のリンク:
頭蓋骨癒合症およびその他の頭蓋顔面奇形/Sahlgrenska大学病院
頭蓋顔面センター/学術病院
本記事は、興学会と日本スウェーデン歯科学会の活動の一環として歯科先進国と言われているスウェーデンの先進歯科医療に関する論文等を翻訳しご紹介するものです。記事内に掲載の各機関は指定のない限り、スウェーデン国内の機関を示します。また、記事の内容には、一部誤訳等を含む場合があるほか、研究・臨床段階の内容も含まれており、実際に治療提供されているとは限りませんので予めご了承ください。